世田谷フィルとは

 世田谷フィルハーモニー管弦楽団は、作曲家、故芥川也寸志氏の「世田谷区民によるアマチュアオーケストラを」という呼びかけに応えて、1989年3月、さまざまな職業の音楽愛好家によって結成された。世田谷区の厚い支援を受け、同年12月に「せたがや区民による第九コンサート」で初演奏を披露。その後は、毎年春秋2回の定期演奏会を開催するほか、世田谷区民合唱団とともに「せたがや名曲コンサート」にも出演。また、ヴェルディ「椿姫」やプッチーニ「ラ・ボエーム」、チャイコフスキー「くるみ割り人形」など、オペラやバレエにも挑んでいる。
 近年採り上げた主な曲目は以下の通り。マーラー「交替曲第9番」、ブラームス「交替曲第2番」、チャイコフスキー「交響曲第5番」、サン=サーンス「交響曲第3番《オルガン付き》」、モーツァルト「交替曲第41番《ジュビター》」、ドヴォルザーク「交響曲第8番」、バルトーク「管弦楽のための協奏曲」、ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」、モーツァルト「レクイエム」、武満徹「弦楽のためのレクイエム」など。音楽監督は2024年4月から井田勝大氏。

音楽監督

井田 勝大(いだかつひろ)

井田 勝大(いだかつひろ)
Photo : Ayumu Gombi
プロフィールサイト

 鳥取県生まれ。東京学芸大学音楽科卒業、同大学院修了。2003年から来日オペラ団体の公演に制作助手として携わり、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場、東京のオペラの森などで小澤征爾、ズービン・メータのアシスタントを務める。2007年11月、Kバレエ カンパニー「白鳥の湖」公演でデビュー。以降、Kバレエカンパニーの多くの公演を指揮するほか、国内外のバレエ公演を指揮。また、音楽制作ではKバレエカンパニー「カルメン」「クレオパトラ」「マダム・バタフライ」において選曲、編曲を担当している。オーケストラとは東京フィルハーモニー交響楽団や東京交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、京都市交響楽団、九州交響楽団などと共演。2019-2020ブロード・ウェイミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」日本キャスト版では音楽監督・指揮を務める。現在、Kバレエトウキョウ音楽監督、シアター オーケストラ トウキョウ音楽監督。エリザベト音楽大学講師、桐朋学園大学特任講師、洗足学園音楽大学非常勤講師。

トレーナー

佐藤 宏充 氏
(指揮・弦・管)
北海道教育大学札幌校音楽科および東京藝術大学音楽学部指揮科卒業。指揮法を佐藤功太郎、ハンス=マルティン・シュナイトの両氏に師事。これまでに様々な団体において、モーツァルトの主要オペラ、ロッシーニからヴェリズモに至るイタリア・オペラの諸作品、「カルメン」「こうもり」「ヘンゼルとグレーテル」や日本の新作オペラなどの作品を多数指揮している。また、東京室内歌劇場、日生劇場、あいちトリエンナーレ、神奈川県民ホール、びわ湖ホールなどの多くの公演に公演に音楽スタッフとして参加。「モーツァルト・ミサ曲全曲演奏会」をはじめ宗教音楽も指揮している。現在、東京藝術大学音楽学部及び大学院オペラ専攻非常勤講師、聖徳大学音楽学部講師、尚美学園大学講師、東京音楽大学付属高校講師。
田渕 彰 氏 
(Vn)
東京芸大付属音楽高校を経て、1969年同大学音楽学部卒業。同時にNHK交響楽団に入団。2007年1月定年退職するまで38年に渡りNHK交響楽団のステージを勤めた。N響室内合奏団、田中千香士合奏団など室内合奏団にも数多く参加。N響ライブラリアンとして長年勤務し、主として弦楽器の楽譜の整備に尽力した。2006年より2017年まで洗足学園音大にてオーケストラの授業を担当、また洗足小学校、中高等学校のオーケストラの指導にも関わってきた。現在N響団友、洗足音大名誉教授、日本弦楽指導者協会会員。
藤村 政芳 氏 
(Vn)
ヴァイオリン、ヴィオラ奏者。1966年10月10日北海道生まれ。5歳よりヴァイオリンを始める。土方恭之氏に師事。第4回STV青少年音楽コンクールで最優秀賞を受賞。1985年東京藝術大学音楽学部に入学。浦川宜也、ベラ・カトーナ両氏に師事。1989年同大学卒業と同時に新日本フィルハーモニー交響楽団にフォアシュピーラーとして入団。在団中「KISA Quartet」を結成し、ロンドンにてアマデウスカルテットに師事。優秀なカルテットとして推薦状を受理する。第2回大阪国際室内楽コンクール入賞。1996年新日本フィルを退団。室内楽を中心に各オーケストラの客演コンサートマスターや首席を勤める。現在は、東京フィルハーモニー交響楽団首席奏者として、また、さまざまな室内楽やソロ、アマチュアオーケストラの指導、指揮、著名なミュージシャンとのレコーディングやライブ、テレビ出演など、幅広く活躍中。
村松 龍 氏 
(Va)
6歳よりヴァイオリンを始める。東京音楽大学付属高校を経て同大学卒業。卒業時に読売新人演奏会出演。1995年第49回全日本学生音楽コンクール東京大会小学生の部第2位。2003年第4回大阪国際コンクール高校の部3位(1位、2位なし)、2007年東京音楽大学コンクール第1位。沖縄国際音楽祭、東京春音楽祭、セイジオザワ松本フェスティバルなどに参加。NHK交響楽団アカデミーを経て、現在NHK交響楽団ヴィオラ次席奏者。ハマのJACKメンバー。各オーケストラでゲスト首席、室内楽、ソロ、アマチュアオーケストラ指導などでも活躍している。
宮坂 拡志 氏 
(Vc)
東京生まれ。4歳半よりチェロを始める。桐朋女子高等学校(共学)音楽科を経て桐朋学園大学を卒業。その後N響アカデミー(1期生)を経て2007年にNHK交響楽団入団。2010年アフィニス文化財団の海外研修員として国立ミュンヘン音楽大学へ留学。東京•春•音楽祭、軽井沢国際音楽祭等に出演。今までにチェロを木越洋、堤剛、ウェン=シン・ヤンの各氏に師事。室内楽を故ゴールドベルク山根美代子に師事。趣味は日本史、鰻屋巡り。
宮澤 等 氏 
(Vc)
長野県須坂市出身。国立音楽大学器楽学科卒業。1992年オランダ・オルランドフェスティバルマスターコース合格。1994年レンク国際音楽祭(スイス) においてファイナルコンサート出演。2007年1月にはニューヨーク、カーネギーホールにてコンサート、2008年、2009年には中国、北京大学にてコンサート、2010年にも中国4都市8公演するなどチェロ奏者として活動。現在、長野県と東京都両地域を地盤に活動を行う。2020年には「チェロとピアノによる岩河智子編作童謡の世界」のCDを制作。クラシック音楽に限らず、童謡や唱歌など様々なジャンルの演奏を行っている。室内合奏団「ウッドランドノーツ」主宰。近年では後進の指導にも力を入れており、長野県内での個人レッスンを始め、国立音楽大学附属音楽高等学校講師やANAフィルハーモニー管弦楽団での指揮者としての指導、白百合女子大学アンサンブル・リズブラン常任指揮者としての指導など、プロ・アマ問わず様々な世代に指導を実施。現在、東京都立総合芸術高校講師。
吉田 秀 氏 
(Cb)
1986年東京藝術大学音楽学部卒業。藝大フィルハーモニア首席奏者を経て1991年NHK交響楽団に入団。現在首席奏者を務める。室内楽の分野ではオーギュスタン・デュメイ、ピンカス・ズーカーマン、ライナー・キュッヒル、ギドン・クレーメル、マリア・ジョアン・ピレシュ、ウォルフガング・サヴァリッシュ、マルタ・アルゲリッチ、ゲアハルト・オピッツ、カルミナ弦楽四重奏団、ベルリンフィルピアノ四重奏団、ターリッヒ弦楽四重奏団、メロス弦楽四重奏団、ライプツィヒ弦楽四重奏団、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団、モザイクカルテットなどと共演。また東京シンフォニエッタ、いずみシンフォニエッタ大阪、鎌倉ゾリステンなどのメンバーとしても活動。霧島国際音楽祭、宮崎国際音楽祭などに参加。東京藝術大学教授、東京音楽大学、相愛大学客員教授、沖縄県立芸術大学非常勤講師。
黒尾 実 氏 
(Cl)
洗足学園音楽大学を退任し、現在横浜創英高等学校吹奏楽部音楽監督兼常任指揮者。浜松医科⼤学管弦楽団、千葉大学OB•OG管弦楽団トレーナー。矢板ウインドオーケストラ音楽監督。日本吹奏楽指導者協会(JBA)常務理事。
境野 達男 氏 
(Fg)
東京藝術大学卒業。ファゴットを三田平八郎、菅原 眸の両氏に師事。和声、対位法、作曲法を嵐野英彦氏に師事。2012年10月まで神奈川フィルハーモニー管弦楽団に在籍。現在は演奏活動の傍ら、アマチュアオーケストラ、吹奏楽の指導に力を注いでいる。
岸上 穣 氏 
(Hr)
京都府出身。東京藝術大学を安宅賞ならびにアカンサス音楽賞を受賞し卒業。フランクフルト音楽舞台芸術大学を首席で卒業。第23回日本管打楽器コンクールホルン部門第1位。ヴィースバーデン・ヘッセン州立歌劇場契約団員を経て、2009年より東京都交響楽団ホルン奏者。東邦音楽大学講師。WaldKonzert代表。
村田 厚生 氏 
(Tb)
桐朋学園大学音楽学部卒業。ドイツ学術交流会(DAAD)給費留学生としてベルリン芸術大学卒業。内外の主要な現代音楽祭に出演。モーションセンサーとリアルタイム・エフェクト、またグロボカール作品に焦点をあてたシリーズリサイタルを継続中。ユニット「コンテンポラリー・デュオ 村田厚生&中村和枝」ではドイツ、スイス5都市でリサイタルを行った。桐朋学園芸術短期大学非常勤講師。
岡田 知之 氏 
(Pc)
1960年東京藝術大学音楽学部器楽科打楽器専攻卒業、同年NHK交響楽団に入団。1963年「東京パーカッションアンサンブル」主宰し日本初の打楽器合奏の形態を周知させる。1975年岡田知之打楽器合奏団を創立。活動に対し文化庁芸術祭優秀賞、音楽之友社賞を受賞。東京藝大音楽学部講師、国立音楽大学教授、山形大学特設音楽科講師、新潟大学教育学部講師、名古屋音大客員教授、を歴任。1992年N響を定年退職し、札幌大谷大客員教授、公益財団・日本太鼓財団評議員、JBA(公益社団法人・日本吹奏楽指導者協会)会長 洗足学園音楽大学音楽学部長、などを歴任。現在はN響理事、N響団友会会長、日本打楽器協会会長、音楽大学オーケストラフェスティバル実行委員長、せたがやジュニアオーケストラ顧問、洗足学園音楽大学名誉教授。