■ シューマン 交響曲第3番 変ホ長調「ライン」

 第1楽章 活発に 変ホ長調 4分の3拍子 ソナタ形式
 第2楽章 スケルツォ きわめて穏やかに ハ長調 4分の3拍子 ロンド形式
 第3楽章 速くなく 変イ長調 4分の4拍子 3部歌謡形式
 第4楽章 厳粛に 変ホ長調 4分の4拍子 前奏曲風の自由な形式
 第5楽章 活発に 変ホ長調 2分の2拍子 ソナタ形式

 シューマン40歳、不惑の歳、1850年ドレスデンからデュッセルドルフに移住した年に完成したこの交響曲には、「ライン」とか「ケルン」という副題が付いていますが、シューマン本人が付けたわけではありません。シューマンの住んでいた環境、ライン川やケルンの大聖堂が第3番の交響曲のイメージに大きな影響を与えたのではないか、と推測して後の知識人が付けたようです。

 この曲を聴いたときにわたしは、ライン地方に大変な憧れを持ちました。こいつは一丁自分の目で見ないわけにはいくまいと、はるばるドイツまで出かけていきました。ところが、遙かなるラインは私のイメージとはかけ離れた川でした。昔は綺麗だったのだろうなーと、傷心の私は今度はケルンの大聖堂を見る事にしました。確かにとても綺麗だし、機械のほとんどなかった昔にたてられたという事を考えればすごい建物だろうけど、今の建築物から考えればたいしたことがないような気もしないでもない。あー、来なければ良かった。自分の頭の中でイメージがすごく大きくふくらんでいたのですね。後から余計な副題をつけないでよー! 責任者出てこーい!

 そんなことがあったにもかかわらず、このシューマンの第3番という交響曲は私の心の中で大きな位 置を占めています。私は山に登るのが大好きなのですが、歩いているとき、休んでいるときにこの曲のいずれかの楽章が頭の中で鳴っている事がとても多いことに気づきます。歩き始めは第5楽章かな‥‥軽快な足取り。尾根を詰め切って目の前が開けたら第1楽章。そろそろ休憩しようかな、あー気持ちいい、で第2楽章。休憩中は、まったりと第3楽章。あっ、天候悪くなってきた! どうしよう神様ー! ‥‥第4楽章が‥‥あー、ドラマティック! まさに山にぴったり! シューマン最後の交響曲にふさわしい、雄大で壮麗な交響曲であります(第4番の交響曲は、実は第3番よりも9年も前に初演が終わっていることと、第3番が全5楽章という珍しい構成を取っている事を考え合わせても、第3番が最後の交響曲といえるのではないでしょうか)。

(ホルン O)